
【ビジネス編】
日本の謎マナーまとめ
日本には「何のためにあるの?」と疑問に感じるような謎マナーが多々あります。
諸外国にももちろんそういったマナーや風習はあるのでしょうが、特に気質的に日本にはそういった意味が分からない、合理的でない、必要性が無いと感じるようなマナー、習慣が多いように感じます。
学生時代の校則にも理解できない校則・ルールがありましたが、社会人になってからはさらに理解不能で意味不明なマナーが多くなったように思います。
今回はそんなニッポンの特にビジネスにおける「謎マナー」についてまとめてみました。
謎マナーができる仕組み
近年ネットのみならず、ニュースなどでも取り上げられることが多くなった「謎マナー」。そもそもどのような経緯で広まるのでしょうか?
ネット界隈ではマナー講師こそがよく問題視されている謎マナーの元凶だという説が支配的です。
マナー講師=失礼クリエイター

よく揶揄されているのは『マナー講師=失礼クリエイター』という言葉。
ぱっと見よくわからないとは思うのですが、要は「○○をするのは失礼」と勝手に解釈して無理やり謎マナーを作り出しているマナー講師たちの蔑称です。
例えば、誰も印鑑の角度なんか気にしていないのに上司に対してお辞儀しているよう見えなければ失礼だと自己解釈で失礼をクリエイトしたりするようなことです。
おおよそ意味の分からない、合理的でないようなマナー達の一部はこのようにマナー講師たちの手によって作られていることがあるといわれています。
定番の謎マナー
日々新しく生み出される謎マナーですが、ここではそれらの代表的なものや定番化しているものについてまとめてみました。
隣の上司にお辞儀をしているようにハンコを押す

請求書など複数の上司の承認が必要な書類において部下は上司の印に対してお辞儀をするように斜めに傾けて押印をしなければならないという謎マナー。
少し前にネット界隈で話題になったこの謎マナー。謎マナーという言葉をよく聞くようになったのはこのお辞儀はんこがきっかけのような気もします。
ほんとにこんなことやっている企業はあるのでしょうか?あるのだとしたら社長をはじめ上司たちが相当低能に違いありません。
寧ろ部下のはんこが傾いているのを注意する上司の方がまだまともといえます。
ビールのラベルは上に向けて注ぐ
飲み会などで上司にビールを注ぐときは表のラベルを上にして見えるように注がなくてはならないという謎マナー。
どこのメーカーのビールがかわかるようにラベルを上に向けているという説、裏のラベルを見せるのは失礼という説、いろいろあるようですが、どちらにせよ意味不明です。
「ラベルを上向きで注がなかったから何のビールか分からなかった!けしからん!」
なんてことを言う基地外はさすがに見たことがありません。
実際にある謎マナーらしいのですが、実際の飲み会でそんなマナーについて言われたことはありません。
乾杯する時は目上の人よりもグラスを下げる

乾杯をする時は目上の人よりも下になるようにグラスを合わせなければならないという謎マナー。
これは実際に実践している人も多いと思います。私も仕事上の飲み会などではさすがに少し気を付けるようにしています。
こういうの気にする人はいますからね。
この謎マナーのせいでプライベートの飲み会で上下関係なんかなくても、皆なんとなく乾杯時はグラスを下げがちです。
上司よりも高いものを頼んではいけない
上司とランチに一緒に行ったときは上司が頼んだものよりも高いものは頼んではいけないという謎マナー。
まあ、大体は上司のおごりになるんでしょうから言っていることはわからなくもないような気がしないまでもないのですが、ランチは仕事の合間の唯一の楽しみだから、好きなものを頼みたいという人も多いと思います。
そこは上司が気を使って「好きなもの頼んでいいからね」とか「先に注文させるとか」するのがスマートだと思いますね。
名刺交換のマナー

社会人になると意外と戸惑う名刺交換の場。下にまとめてみましたが、これもほとんど意味のないマナーと思っています。
- 相手に名刺を渡す際は必ず立って行い、名刺は相手が読める向きで両手で差し出さなければならない。
- 名刺は相手よりも下から渡さなければならない。
- 相手の名刺は両手で受け取り、受け取る際は「頂戴いたします」と一言。
- 相手が複数の場合は役職が上の人から順に交換。
- 名刺を受け取った後はすぐにしまわずに机の上に名刺入れに乗せる形で置いておく。その時一番偉い人が一番上になるようにしなければならない。
- 金属製の名刺入れはNG。
少し思いつくだけでもこれだけあるので、名刺交換はホント面倒なんです。
まあ、基本的に両手で渡して両手で受け取って「頂戴いたします」とだけ言っておけば、まあ最低限のマナーとして問題ないと私は思っています。
金属製の名刺入れはNGとかは、ほんと謎です。
お辞儀の角度

日本のビジネスにおいてはお辞儀の角度にまで明確な規定のようなものがあるようです。
- 会釈 15度
- 敬礼 30度
- 最敬礼 45度
正直お辞儀の角度なんて気にしてるやつにお辞儀されても気持なんか伝わるはずがありません。
芸能人の謝罪会見の白々しい最敬礼と一緒です。大切なのは気持ち、誠意なのですから。
「了解しました」ではなく「承知しました」
私が新入社員のころ上司に対して「了解しました」といったところ、上司から「了解しました」ではなく「承知しました」を使うように指導をうけたことがあります。
その時は「はえ~、さすが上司」と思ったものですが、まあこれも謎といえば謎。
マイナビニュースさんによると「了解しました」は丁寧語なので取引先や上司に対して使うのはNGとあります。
「了解しました」は丁寧語であって謙譲語ではありません。故に、同僚や目下の人に対して使う言葉であって、取引先や目上の人に使うのは失礼にあたりますので、注意が必要です。
マイナビニュース
これに関しては謎マナーというか常識の範疇のような気もしますが、考えてみれば「了解しました」で十分丁寧だからいいのではないかと最近思っています。
上座・下座
上座とか下座とかいうのもまあ面倒で謎といえば謎です。
まあ、今となってはとりあえず上司を出入り口から遠い奥の方に座らせとけば間違いないのでそんなに大変ではないですが・・
ちなみにタクシーの場合は運転手の後ろの席が上座、助手席が下座となります。
相手が来るまで椅子に座ってはならない
営業などで他社に伺って応接室などに通された際、商談相手が来るまでソファなどには座らず立って待っていなければならないという営業職なら常識といわれている謎マナー。
事務のおねえさんに「お掛けになってお待ちください」といわれても決して座ってはいけません、商談相手がきて「お掛けください」といわれてはじめて「失礼します」といって座ることが出来ます。
個人的には座って待って、相手が来たら立って挨拶するというくらいがちょうどいいと思っています。
出されたお茶に口をつけてはならない

客先で出されたお茶は口をつけてはならないという謎マナー。
出されたお茶に口をつけるのは相手に失礼????
意味が分かりません。
ググってみると正しくは相手方に「お茶をどうぞ」と勧められたら飲んでOKだそうです。
めんどくせ~。そんなもん相手方に失礼が無いようにするだけでいいんだよ!
電話・メール時の謎マナー
日々何気なく行っている電話やメールなどの業務の中にも冷静に考えたら意味のないことや無駄なルールやマナーが多々あります。
メール冒頭のお世話になっております

ビジネスでメールを送る際、冒頭の「〇〇会社〇〇様。 お世話になっております。〇〇会社の〇〇です。 」という定型文。
もうほぼどの業界でも日本中一緒ではないかと思います。
まあ、何も考えなくていいので楽といえば楽ですが、たまに冷静に「これ必要か?」と思ったりもします。
電話の「お世話になっております」「お願いいたします。失礼します。」
電話で名乗る際に「〇〇会社の〇〇です。お世話になっております」。
電話を切るときは「それではよろしくお願いいたします。失礼いたします」。
社会人になってからはどこの会社でもほぼこのような感じです。もう慣れているので何も感じませんが、よく考えると謎と言えば謎です。
メールを送ったと電話で報告
取引先などにメールを送信した後にメールを送信したことを電話にて報告。
こんなことをしている奴が本当にいます。
100歩譲って重要な書類や急ぎの案件をメールで送ったとかならまだ理解できるのですが、どんなメールであっても毎回電話で送信したことを伝えてくる人・・・理解できません。
これは会社がそのように教育しているのか、本人の独断でやっているのかはわかりませんが何のためのメールだと思っているんでしょうか?
メールのCCは役職順でなければならない

メールを送る際はたとえCCであろうと気を抜いてはいけません。CCの順番は必ず役職順でなければなりません。
他社様よりも自社を先にするなんて以ての外なのです。
FAXの到着確認をする
日本の企業の中にはいまだにFAXを使用している所が少なくありません。
私の働いている業界でも書類のやり取りなどはいまだにFAXです。
そしてルールとしてFAXを送った後は送り先に電話で到着確認が必要でとなります。
セキュリティの関係でそのようにしていると思われるのですが、非合理極まりなくてほんとにアホくさくてうんざり。
最近でもコロナの感染者数をFAXで送っているなんてニュースを見て唖然としたのを覚えています。
就職活動・面接での謎マナー
社会人の入り口となる就職活動や面接の際にも多くの謎マナーが存在する模様。
企業は会社の駒として命令に対して何の疑問も持たず従順に動く兵隊を求めています。
意味のないマナーに対して「おかしい」と自分の意見、考えがあるような人材は必要としていません。
服装はリクルートスーツ一択

面接の際の服装は絶対にリクルートスーツ。色は黒か紺のみ!それ以外はNG。ストライプなんてもっての外!
という謎ルール。
面接官はストライプのスーツを着ていたりします。
面接での入室時のノックの回数は3回

面接で入室するときのノックの回数は3回でなければならないという謎ルール。
2回だとトイレと同じだから失礼という理由からだそうですが、そもそもトイレが2回なんてマナーすら知りませんし・・
こんなことを気にする面接官のいる企業で勤めたくはありません。
履歴書は手書きで
履歴書は手書きでないといけないという謎マナー。
日本においてはいまだに履歴書は手書きが主流です。
手書きの方がその人の人柄とか性格が分かるからとか、本気度が伝わるとかアホみたいな理由のようです。
履歴書なんか1枚でも書くのが大変なのに就職活動をしている学生なんかは、それこそ数十枚、数百枚と書かなければいけない人もいるでしょう。
せめて志望理由以外はPCでもOKとか企業側にも柔軟性がほしいものです。
謎マナーでもないがなんとなく納得できないマナー
その他にも日本にはもう定番化していて誰も疑問に思っていないが、よくよく考えたら『なんでこんなことをしなければいけないのだろう』『なんか納得できない』というマナーが存在しています。
個人的な意見が大半ですが、少し挙げてみます。
男性のネクタイ着用

『息苦しい』『邪魔』毎日スーツを着て仕事をしている人は誰もがネクタイに対してこう思っているのは間違いないところです。
なのに当たり前すぎて誰もネクタイを着用することに対して異を唱えようとはしません。(してる人いるかもしれませんが)
スーツ・ネクタイがワールドスタンダードになっているのでまあ仕方がない面もありますが、息苦しいだけで本当に何のためにしているかわかりません。
最近ではクールビズが浸透していて夏場はネクタイを外してもいいとしている企業が大半ですが、それでも冬場になるとネクタイ・・
夏なくても問題なければ冬もしなくていいんじゃないですかね?意味が分からない。
女性はメイクをしなくてはならない

女性はメイクをしなければならないというマナー。
裏を返せは『おまえのすっぴんはマナー違反』って言ってるようなものですからね。まあ失礼な話です。
『すっぴんなんて恥ずかしくて人様に見せられない』という人もいるでしょうが、大半の女性が一度は疑問に思ったことがあるのでは?
知らんけど
コロナ禍が生んだ新たな謎マナー
新型コロナウイルスは人々の生活を一変させました。
ビジネスにおいても同様で緊急事態宣言に伴う外出自粛により大手企業を中心に在宅勤務が当たり前になりました。
今までと違う生活形態になりこんな時はどうしたらいいのかというルールやマナーももちろん定められていなかったため、こちらも主にマナー講師を中心として新たな謎マナーが次々に生まれている模様。
一部をご紹介します。
WEB会議では上司よりも先に退出してはならない
日本の企業では定時になっても上司が帰るまでは部下が帰ることは許されません。
それと同じでWEB会議であっても上司全員がいなくなるまでは部下は決して「退出」ボタンを押してはいけません。
WEB会議なのにスーツを強要

在宅勤務中であってもWEB会議ではスーツを着用するのは当たり前です。
上司にだらしない部屋着を見せる事は社会人としてあり得ません。
黒マスクに白いシャツはNG
TVの情報番組でのマナー講師様のありがたいお言葉です。
この発言によってSNSは大荒れ。「マナー講師」という言葉かトレンド入りする事態に。
食事の際マスクは上司が外してから外す
上司と食事をする際は先に自分の食事がきたとしても先に食べるなんて以ての外。
マスクに関しても上司が外してから外すのがマナーです。
まとめ

法律は誰も悪いことをしない、人を傷つけたりしないんであればそもそも必要ありません。
マナーも同じで全員が思いやりを持って人と接することができる、人に不快な思いをさせないような人ばかりだったらマナーという言葉すらないでしょう。
法律やマナーなんて一部の空気の読めないアホのために作られたものなんだから、元々は普通の人が普通に生活する分には気にする必要がないものなんです。
マナーが必要ないとまでは考えていませんが、マナーなんて知らなくても相手に対して敬意をもって接することができれば自然と印象は良くなるものです。