テスト勉強の前に部屋を掃除する現象
【セルフハンディキャッピングとは】
学生の頃テスト前夜に限ってなぜかいつもやらない部屋の掃除をしてしまう。
掃除をしていたら、懐かしい漫画本を見つけてなぜか小一時間漫画に没頭。その次は卒業アルバム・・
その日のうちにどうしてもやらなければいけないことがあるときに限って、他のことをしてしまう。
そんな経験がある人は多いのではないでしょうか?
そのような行動にも心理学的な名前があります。
テスト勉強の前に部屋を掃除する現象
【セルフハンディキャッピングとは】
学生の頃テスト前夜に限ってなぜかいつもやらない部屋の掃除をしてしまう。
掃除をしていたら、懐かしい漫画本を見つけてなぜか小一時間漫画に没頭。その次は卒業アルバム・・
その日のうちにどうしてもやらなければいけないことがあるときに限って、他のことをしてしまう。
そんな経験がある人は多いのではないでしょうか?
そのような行動にも心理学的な名前があります。
このような行動をとってしまうのは失敗したときの言い訳を自分で用意していると考えられます。
テストの点数が悪かったことにより自身が傷つくことを恐れて、あらかじめ自分を守るための予防線を張っているのです。
自分の心を守るために誰もが持ちえている心理です。
この心理のことを”セルフハンディキャッピング”といいます。
失敗した時の言い訳をするために自分で(セルフ)ハンディキャップを作り出すという意味です。
前述のようにテスト前などにあえて部屋の掃除をしたり、漫画などを読んでしまうなどわざわざ勉強の妨害になるようなことをする行為は”獲得的セルフハンディキャッピング”といいます。
テストの結果が悪かった場合、原因は部屋の掃除をしてしまったからだと自らに言い訳をして自己評価、自尊心を損なわないようにするための行動です。
対して、テスト前に「全然勉強してないわ~」とか「ゲームしすぎて寝不足だわ~」などの言い訳をあらかじめ周囲に広める行為を"主張的セルフハンディキャッピング"といいます。
この行為はテストの結果が悪かった時に、周りの友人からの評価を下げないようにするための予防線といえます。
セルフハンディキャッピングをすることによる効果として特筆すべきは、結果が悪い場合も結果がよかった場合もどちらの場合であっても心理的に自己評価、自尊心を守ることができるという点です。
結果がよかった、成功した場合の心理は「ハンディキャップがあったにもかかわらず成功したのは自分の能力が高いからだ」と思うことができます。
これはテスト前に猛勉強して結果がよかった場合、自分の能力によるものなのか猛勉強した努力の結果によるものなのか判断が難しくなってしまうので、ある意味セルフハンディキャッピングをすることでより自己評価を高めることができるといえます。
しかしながら、実際能力以上の結果が出てしまった場合「自分は天才なんだ」と勘違いしてしまうことも考えられるので、あらかじめ自分の能力は普段から把握しておくべきでしょう。
対して、結果が悪かった、失敗した場合であっても「ハンディキャップがあったから結果が伴わなかった」と言い訳ができるので自身が深く傷つくことを防ぐことができます。
このようにセルフハンディキャッピングをすることで心のダメージを減らすことが出来ます。
そう考えると「セルフハンディキャッピングっていいことばっかりじゃね?」と思う人もいるかもしれません。
しかしながら、セルフハンディキャッピングにもメリット、デメリットがあるようです。
セルフハンディキャッピングは自分が今やらなければいけないこと、やりたくないことに対して努力をせず失敗したときの言い訳をあえて作り、失敗したときの心理的ダメージを減らすことが出来ます。
失敗しても「あの時はこうだったから」「本気になればできる」などと言い訳することが出来るので、自尊心や自己評価が大幅に下がることを防ぐことができます。
また、成功した場合は、努力しなくてもできたということで自己評価は努力した時よりもむしろ上がることもあるという点ではメリットといえるでしょう。
セルフハンディキャッピングのデメリットとしては、嫌な事、やりたくないことから逃げる、先延ばしにするという癖がついてしまうということが考えられます。
失敗してもそれほど心理的ダメージを負わないので「失敗しても大したことがない」と思い込んでしまい、努力をしなくなるという可能性も考えられます。
また、前述した”主張的セルフハンディキャッピング”を多用する人は単純に”ウザい””鬱陶しい”と思われがちです。
そりゃテストなどがあるときに毎回「全然勉強してないわ~」とか言っている人がいたら嫌ですよね。
セルフハンディキャッピングは決してポジティブな行為ではないということは肝に銘じておきましょう。
私も学生のころはテスト前に限って部屋の掃除をしたり、眠っていた本を読み漁ってしまったりして、結局深夜になってしまい後悔したものです。
これは大人になった今でもやってしまっていて、どうしても当日中に出さなければいけない資料や見積もりがあるのに、無駄にPCのデスクトップの整理などをしてしまっていることがあります。
途中で「こんなことをやっている場合じゃない」とすぐに気を取り直してすべきことをするのですが、その無駄なワンクッションをすることで、逆に集中力が高まったりするような気もします。
それはやりたくないことの先延ばし行為に他ならないのですが、その行為をすることで逆に覚悟が決まったりするんじゃないかと勝手に思ったりしています。
仕事も自分のペースでやるのが一番。気分転換をしないと集中力もなくなって逆に時間がかかってしまうのかもしれません。
セルフハンディキャッピングはしたくないことを先延ばしにするネガティブな行為ですが、自分の自尊心・自己評価を守るための防衛行動なので、人間に無意識に備わっている本能のようなものなんです。
いつも気を張って生きていたら疲れてしまいますから、セルフハンディキャッピングで自分に言い訳をして生きていくのも必要なことなんです。
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