【ジャムの法則】
品ぞろえは少ない方が
売り上げがいい?
先日、お風呂掃除グッズを買おうと思って、近くのロフトに行きました。
ロフトってお掃除グッズが充実していて、お掃除グッズ以外にもたくさん面白い商品があるのでたまに暇つぶしで行ったりします。
今回はお風呂掃除用品を購入するという目的があったので良さげなものを適当に選ぼうと思っていたんです。
しかしながら、小一時間いろいろ物色したにもかかわらず、私は手ぶらでロフトから出てきたんです。
なぜ商品が充実しているのに購入しなかったのか
LOFTにはお風呂掃除用品はたくさんあったんです。西友では売っていないようなものばかりですごく選びごたえがあったんです。
それではなぜ私はお風呂掃除用品を買いに行ったにも関わらず何も買わずにロフトから出てしまったのでしょうか。
以下理由をまとめました。
- お風呂掃除用品はたくさんあったが、多すぎて逆に何を買っていいかわからなくなった。
- お風呂掃除用品以外にもキッチン用品やトイレ掃除用品、その他もろもろに目移りしてしまって色々見ているうちに疲れて買い物が面倒になってしまった。
- 結局洗剤なんてどれを買ってもそれほど変わらないだろうから、後日西友で買うことにしようと思った。
こんなところです。
考えてみればロフトってたまに行くんですが、買い物したことってほとんどないんですよね。
普段あまり見かけないような商品を見て満足しちゃってるんですよね。
「店内すべて変な商品」で有名なヴィレッジヴァンガードも見て満足しちゃう系のお店だと思います。
品揃えが豊富だと売り上げが落ちる?
お店の経営者にとっては、品揃えが豊富なほど売り上げが伸びると思いがちだと思います。
確かに品ぞろえが豊富なお店はたくさんの中から選べますし、見ているだけでもとても楽しいんです。
しかしながら、例えばトイレ用洗剤を買おうとしても何十種類もあったらどれを買ったらいいのか迷ってしまいます。
逆に品ぞろえが少ない店。(ここでは同じ種類の商品の品ぞろえとします)
例えばコンビニなどでは迷うほど種類がないのでとりあえず必要なものをすぐに選んで購入できます。
例:しょうゆを切らしてしまってコンビニに買いに行っても、あって一種類か二種類くらいしかないので、迷わず購入できる。
【ジャムの法則】スーパーで実験が行われた
コロンビア大学ビジネススクール教授のシーナ・アイエンガーはとあるスーパーマーケットで以下のような実験を行いました。
スーパーでジャムの試食コーナーを設置。そちらにとある週には6種類のジャムの試食を並べ、また別の週には24種類もの試食を用意してどちらの売り上げが多いかを比較しました。
6種類のジャムを並べたときは、スーパーのお客さんのうち立ち止まったのは40%。そのうちジャムを購入してくれたお客さんは30%でした。
対して24種類のジャムの時は6種類の時よりも増えて60%ものお客さんが立ち止まりました。
ところが、そのうち購入したのは大幅に減ってなんと3%だったのです。
選択肢が多いほど興味が惹かれるが、満足度は低くなる傾向がある
この実験結果からわかるのは、24種類のジャムを並べたとき、お客はたくさんの種類のジャムに興味を惹かれて立ち止まってみたものの、種類が多すぎてどのジャムを買ったらいいか迷ってしまい、結局購入には至らなかったと考えられます。
シーナ・アイエンガー教授によると、選択肢が多くなると顧客が興味を持ち得した気分になるが、その反面、選択することが難しくなり結果、満足度は低くなってしまうんだそうです。そして、人がストレスなく選択できる選択肢の数は5~9だと結論付けています。
その商品の特性に合った品ぞろえを
今まで私も買い物をするのはたくさん種類があって、選択肢が多い方が当然いいものだと考えていました。しかしながら今回、たくさんの種類の洗剤の中から1種類を選ぶのが面倒になってしまい、結局購入しなかったという経験をして、そこに疑問をもちました。
しかしながら、今回の洗剤など生活用品や食品などの場合は上記の「ジャムの法則」が当てはまるようですが、例えば洋服やCDショップなどで選択肢が6種類となると話は違ってきます。
アパレルショップで6種類の中から決めてといわれても、「品揃え悪っ!」と思ってしまいますよね。
したがって必ずしも選択肢が少ないほどいいというわけではないようです。
自分で何か商売をやってみたいという人は、このことを踏まえてその商品の特性に合った品ぞろえを研究することが重要になってくるのではないでしょうか。