【好きなことで生きていく?】
趣味を仕事にしてはいけない理由
”好きなことで生きていく”YouTubeの有名なキャッチフレーズです。
好きなことや趣味をそのまま仕事にして報酬を受け取る。誰もが一度は憧れたことがあると思います。
しかしながら、それは本当に難しいことで誰もが生活のために特に興味のなかった分野の仕事をしながら生きているのが現状です。
一見聞こえがよく、夢のある”好きなことで生きていく”という言葉ですが、実際に好きなことや趣味を仕事にしたら急にやる気がなくなったり、時には好きだったことが嫌いになったりといったこともあるようです。
あなたが実際に今好きなこと・趣味を仕事にしたいと考えているのであれば、趣味を一つ無くす覚悟が必要になるでしょう。
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なぜ好きなことや趣味を仕事にしてはいけないのか
まず言っておきたいことは好きなことや趣味を仕事にしたら必ずそれが嫌になるという訳ではないということです。中には本当に自分の好きなことだけをして報酬を貰っている人もいることでしょう。
ただ、多くの場合は好きなことを仕事にした場合、それが好きでなくなったり意欲が著しく低下することが分かっています。
それではなぜ、好きなことや趣味を仕事にしているのにそのような気持ちの変化がおこるのでしょうか?
報酬を受け取ると意欲が下がる「アンダーマイニング効果」
内発的動機付けと外発的動機付け
人が行動を起こす時のきっかけは2種類あり”内発的動機付け”と”外発的動機付け”というものがあります。
■内発的動機付けは誰に指図されるわけでもなく「好きだから」とか「もっと上手になりたい」とか自発的にその行動を行っていることをいいます。
■対して外発的動機付けは賃金を得たり、評価を得たりといった外からの報酬を得るためや、誰かに指示されて嫌々その行動をすることをいいます。
内発的動機付けと外発的動機付けを比べた時により強い動機付けとなるのはもちろん内発的動機の方になるのです。
アンダーマイニング効果
好きなことや趣味は無論、内発的動機付けによって行われているのですが、それに報酬が加わるようになるとその報酬を得るために行動するようになってしまうため、内発的動機付けから外発的動機付けに動機付けが変わってしまうんです。
そうすると、それまで自発的に行っていたことが外発的動機付けとなって「やらされている感」が出てきてしまい、とたんにやる気がなくなったり好きでなくなったりしてしまうのです。
そのように、自発的に行っていた行動に対して報酬が与えられるようになるとやる気がなくなってしまう心理を”アンダーマイニング効果”といいます。
アンダーマイニング効果 内発的動機づけによって行われた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、動機づけが低減する現象をいう。 例えば、好きでしていた仕事に対して褒美を与えると、褒美なしではやらなくなってしまう、などの現象。
コトバンク
報酬を受け取る以上ある程度のクオリティが求められる
報酬を受け取るということは、顧客が支払う報酬に見合った仕事をして顧客に満足してもらうことが大前提です。
例えばレザークラフトが趣味で、自分が好きで趣味としてやっている時は縫い目が多少歪んでしまったり、革に汚れやキズが付いていたとしても別に誰にも文句は言われません。
しかしながらその作品を販売するとなると返品やクレームの要因となり、その顧客は2度とあなたの作品は購入してくれないでしょう。
このように、報酬を受け取りその分野のプロフェッショナルとして商売をしているのであれば、中途半端な仕事は許されないのです。
そうなると、趣味として楽しんでいたことがとたんに「失敗は許されない」「中途半端な仕事はできない」といったプレッシャーがかかるようになり、その趣味を楽しめなくなってしまう可能性があります。
自分のやりたい事が顧客の求めている事とは限らない
あなたは芸人です。営業に呼ばれた時にそこの責任者に裸になって腹芸をしてくれといわれたとします。
あなたの芸風はしゃべくり漫才で腹芸なんて芸風とはかけ離れているので絶対にやりたくない。むしろプライドが許さない。
しかしながら、事務所にはお金がいいのでその責任者の言う通りにしろといわれた。
そんなときあなたはプライドを捨てて腹芸をすることができるでしょうか?
仕事というのはお客さんに喜んでもらうのが大前提です。自分がやりたいことと客が求めていることが必ずしも同じとは限りません。好きなことや趣味を仕事にしている以上そのようなことは避けて通ることができません。時には自分の意にそぐわないことでもやる必要が出てくるのです。
同じ仕事でも客の求めていることとあなたのやりたいことが必ずしも同じとは限りません。
自分のやりたいことだけをやっていては仕事にはならないのです。
客は自分が出来ないこと、やりたくないことに対してお金を払っている
基本的に仕事というのは辛いものです。客は自分ではやりたくないと思ったことや自分では出来ない事を代わりにやってほしいのです。そのためにお金を払います。
「部屋の掃除をしたいけど面倒だからハウスクリーニングを頼む」
「仕事で子育てが出来ないので保育園に預ける」
「お客さんに楽しんで欲しいから芸人を呼んでネタをしてもらう」
すべて自分ではやりたくないこと、出来ないことです。
自分が楽しくてやりたいことだけをやって報酬を得るということは、それが客の求めていることと一致しているということになりますので、そんなことはとても難しくて稀なことなんです。
自分が好きな時にやればいいというわけではない
好きなことや趣味というのは自分が好きな時、やりたいと思った時にしているものです。
平日は仕事をして土日は釣りを楽しむ、そのように時間がある時に気晴らしとして楽しんでいる人が大半です。
「毎日好きなことだけをして生活できたら楽しいだろう」
誰しも一度はそのように考えたことがあるかと思います。
例えば釣りが趣味だったとして、毎日同じ時間に起きて8時間は必ず釣りをしなければならない、釣れなければ時にはそれ以上の時間になることもある。多少体調が悪くても釣りをしなければならない。
そう考えたらどうでしょうか?
「最高じゃん!」
と考える人も中にはいるでしょうが、大半は「それは嫌だな」とか「そこまでしたら釣りが楽しくなくなるだろうな」と考えるはずです。
仕事をするということはそういう事で、気分が乗らなかったりもう少し寝ていたいと思った時でもやらなければいけないんです。
そうしないと客の信用は得られませんし、会社勤めの場合はクビになります。
好きなことや趣味は自分がやりたい時に好きなだけ出来るから楽しいのであって、気分が乗らない時や、誰かから命令されたら、前に挙げた通り外発的動機付けとなるためやる気や意欲がなくなるんです。
【結論】好きなことではなく得意なことを仕事に
上に挙げたような”好きなことや趣味を仕事にするデメリット”をデメリットと感じない人であればそれを仕事にしてもリスクは少ないと思います。
- 自分は誰よりもそれが好きで、毎日やっていても飽きることがない。
- その趣味のためなら勉強は怠らず、とことんクオリティを高めたいと思っている。
- 自分の意にそぐわないことでもお客さんが喜んでくれることが一番。
そのように考えているのであれば、一度その趣味を仕事にするためにがんばってみるのもいいと思います。
好きなことが必ずしも得意なこととは限らない
しかしながら、人には向き不向きがあるので好きだからといって必ずしもそれが向いている、得意であるとは言い切れません。
”好きこそものの上手なれ”という言葉がある通り、好きなことであれば熱中できるので上達が早いものですが、向いていない・得意ではない分野では限界があります。
自分の好きなことが自分の得意なことでそれを仕事に出来るというのが理想ですが、皆が皆その分野で才能を発揮して報酬が貰えるようになるわけでありません。
そして、趣味を仕事にすることで楽しめなくなり趣味が一つなくなってしまうことも考えられます。
趣味は趣味として考えて得意なことを仕事にする
趣味は趣味として考えて、自分の得意分野を仕事にするということが結局は一番いいのかなと思います。
得意分野であれば、人よりも上達が早いですしそれほど苦にはなりません。好きな事を仕事にしたはずなのに辛いといった葛藤もありません。
もしかするとやっていくうちにその得意分野の奥深さをしって好きになるということも十分に考えられます。
結局どうするの一番なのかはその人次第だとは思うのですが、好きなことや趣味を仕事にするということはそれを好きでなくなる、趣味が一つ無くなるというリスクがあるということもよく考える必要があるということです。
趣味と仕事に関する様々な口コミ
ここでネットに挙がっていた”趣味と仕事”に関する様々な口コミを集めてみました。
実際に趣味を仕事にした人の意見もありますので趣味を仕事にと考えている方は参考にしてみてください。
(辛くなければ仕事ではない)や(私は夢を叶えられなかったのだから、そんな簡単にはいくはずはない)とかの「そう、あって欲しい」ってやっかみねたみと自己肯定なだけも
仕事が趣味で人生そのものも良いが仕事以外の楽しみがあるともっと良い。仕事に集中する時間と家族と過ごす時間。そして休みの日はその日にしか出来ない全く別の事をして過ごす。気分転換の中で新しい事が発見できオンとオフの切り替えも良好に。昨夜はあるもので粕汁。谷中の酒屋さんの美味しい酒粕で pic.twitter.com/6xUYHh4UVO
— Misao N (@misaonene) February 8, 2020
好きでもないことを仕事にするよりは、趣味を仕事にしたほうが圧倒的に良いと思う。 仕事に対する学習意欲が段違い!
実際オススメしない。趣味と違い嫌な部分とも付き合わねばならないからだが、それが積もり積もって好きじゃなくなってしまった、そういう人は言いたがらないからでは。
例えば本が好きな人が書店に勤めたとして、気付くのは 「自分は本を読むのが好きなのであって、本を売ることが好きなのではない」 ということ 自己分析がみんな足りないんですわ
「趣味と仕事は区別したいと考え、ゲーム業界はめざさなかった。NTT東日本の面接では、あえてゲームを語らないようにした。語りすぎると、評価を落とす気がしたからだ」
— 朝日新聞 金融取材チーム (@asahi_kinyu) February 3, 2020
ゲーマー社員、趣味が社長にバレる→子会社副社長に抜擢:朝日新聞デジタル https://t.co/MsuLgRy84e #ゲームの未来
自分はミニ四駆が好きでミニ四駆のコース設置店で働き始めましたが ミニ四駆の事を全然知らない上司が首を突っ込んで来るようになってからは 毎日が地獄でした。
こんばんは。今まさに趣味を仕事にしようとして頑張ってるところなんですど、どんどん楽しくなくなったり雑になってきてる気がして、「自分の中の"好き"はその程度だったんだな…」と打ちひしがれる気持ちがあります。好きでい続けることはそれ自体が才能というか、ある種の能力なのだと思いました…。
好きと得意が同じ人には問題ないのだと思います。 好きだけど得意では無い場合、壁を乗り越えるのがいちいち大変ですが、趣味ならば壁の先は放置することができます。
私、趣味を仕事にしました。趣味の間は好きなところだけやればいいけど、仕事にすると、つまみ食いでは成り立たない、そこだと思います。でも、辛いけど楽しいけどね。