回避依存症の特徴や心理とは
回避依存症という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
人と深く関わることを避ける傾向にある人のことを指すのですが。その考え方の根本は「はじめから関わらなければいい」という考えです。
度合いによっては心の病気として扱われ、専門家のカウンセリングも必要になる回避依存症。
今回はそんな回避依存症の特徴や心理を男女別に見ていきたいと思います。
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CONTENTS
- 回避依存症とは
- 回避依存症の男性の特徴と心理
・人と親密な関係になることを恐れている
・内向的な性格で人とのコミュニケーションを避けたがる
・自己評価が低く自分に自信がない
・人間関係における愛情・絆・信頼などは信用していない
・弱みを見せないため一見すると男らしい魅力的な男性に見える
・交際中は主導権を握り高圧的
・交際している女性に対しては束縛気味
・交際中でも他にキープの相手を作る - 回避依存症の女性の特徴と心理
・人付き合いにおいては本音を語らず自分を演じている
・明るく社交的で友人は多いが信頼関係には疑問を持っている
・束縛されることや干渉を嫌う
・華やかで綺麗な見た目の人が多い
・関係が深まっていくと距離を置こうとする
・一度好きになると依存しやすい
・複数の男性と同時に交際することがある - 回避依存症の原因とは
・恋人や親友に裏切られた過去がある
・親が過保護で過干渉 - 回避依存症度チェック
- ドラマ「ハケンの品格」大前春子は回避依存症?
・「ハケンの品格」あらすじ
・過去のトラウマから仕事仲間とははじめから関わらないスタイル - まとめ
回避依存症とは

回避依存症とは、人と親密な関係になることを避ける(回避)ことによって心身のバランスを保っているタイプの人のことを指します。「深い関係になることを回避することに依存している人」と言えばいいでしょうか。
回避依存症の人の根本的な考えには「傷つくくらいなら初めから関わりたくない」という考えがあります。人と深く付き合わなければ必然的に傷つくことも少なくなりますから、彼らは人との付き合いを回避するのです。
一見、明るくて友人も多いように見えるのですが、基本的に人のことを信用しておらず、親密な関係になることを恐れています。
恋愛においても相手に惚れさせては離れていくという特殊な行動をとります。比較的モテる男性や女性に多く見られる心の問題なのです。
回避依存症は正式な診断名ではないのですが、症状の度合いによっては専門医やカウンセラーのサポートが必要になる場合もあるようです。
似ている症状には「回避性パーソナリティー障害」といわれているものがありますが、こちらはれっきとした精神疾患の名前です。
不安性(回避性)パーソナリティ障害の基本的特徴は、批判されたり、嘲笑されたり、恥をかいたりすることを恐れるがあまり、人との接触を過度に避けようとすることです。その結果、職業上の機能を果たせない場合があります。例えば、責任ある役職を与えられそうになっても、同僚から批判されるかもしれないという理由で昇進を断る人がいます。あるいは、スーツの着こなしが変だと思われないか心配で、就職の面接を断ってしまう人もいます。
引用元:ハートクリニック
回避依存症の男性の特徴と心理
回避依存症の人の行動には男性、女性それぞれに特徴があります。
親しくなってくると突然距離を取ろうとしてくる、しばらく連絡しないでいるとまた近づいてくる。
こういった特殊な行動をする彼・彼女らの特徴とはどのようなものなのでしょうか?
深層心理を知ることで回避依存症の人とのうまい付き合い方がわかってくるはずです。
男性側・女性側それぞれの特徴を見ていきます。
人と親密な関係になることを恐れている

回避依存症の男性の特徴として、人と親密な関係になることを恐れているということが挙げられます。
気が合って仲良くなり、連絡先の交換などは積極的に行うのですが、だんだんと仲が深まっていくと急に連絡を返さなくなったり、よそよそしい態度になります。
恋愛に対しても同様で好きな女性に対して積極的にアピールするものの、いざ女性と両想いになったと思ったら、急に態度が冷たくなったりします。
その行動は「どの道このままずっと仲が良いままなんてことはありえない」「どうせ本当の自分のことを知ったら離れていく」といった思考からきています。
過去に人から裏切られたり、恋人に浮気されたりといった人間関係のトラウマが彼らの心理の根底にあり、仲良くなった人が離れていったり、恋人に振られたりするのを極端に恐れているのです。
内向的な性格で人とのコミュニケーションを避けたがる

回避依存症の男性は一見明るく社交的に見えますが、実は内向的な性格でなるべく人と関わりたくないと思っています。その理由として以下のようなことが挙げられます。
- 人と深くかかわることで自分の弱い部分や恰好悪い部分が露呈して嫌われることが怖い。
- 深い関係になって頻繁に連絡を取り合うようになると、自分の時間を奪われているような気がする。
基本的に男らしくて恰好良い自分、包容力があって器の大きい自分を演じているので仲の良い友人や知人と会っていても本当の意味でリラックスすることがなく疲れてしまいます。
また、そのまま長く付き合って自分の弱い部分や恰好悪い部分がばれてしまうと友人が離れていくと考えます。
人並み程度には寂しさも感じるため、人とはある程度関わっていたいと考えているのですが、仲良くなりすぎて自分の時間が奪われるのも嫌うのでどうしても人付き合いがおっくうになってくるのです。
自己評価が低く自分に自信がない

回避依存症の男性は自己評価が低く自分に自信がないため、思考はネガティブになりがちです。
常に自分に対する周りの評価を気にしていて、人から嫌われたくないという思いから対人面においても自分の意見や考えの本音の部分は一切出しません。
恋愛においては相手の愛情を確認するためにわざと我侭をいってみたり、相手を試すような言動を取り、それに相手が答えてくれることで自分は好かれていることを確認するのです。
そのような行動も自信のなさからくるものです。
人間関係における愛情・絆・信頼などは信用していない

回避依存症の人は人間関係について現実的でドライな見方をしているので、よくある愛とか絆とか信頼などといった人間同士の繋がりについては信用していません。
「永遠の愛」だとか「親友同士の絆」とか言っている人を見ると「フッ」と鼻で笑ってしまいます。
友人が結婚したりしても、どうせ別れるのになんで結婚するんだろうという気持ちが強いので素直におめでたいという気持ちにななりません。
そういう考え方なので当然友達に対してはずっと仲良くしたいと思っているものの、どうしても一歩引いた付き合いをしてしまいます。
恋人に対しても、そもそもずっと好きなんてことありえないと思っているので結婚のことなんか考えたこともありませんし、浮気をしたりキープを作ったりしても罪悪感はありません。
そんな、砂漠のようなドライな考えの彼らも、心の底では本当の友達や清らかで純粋な愛情を求めています。
むしろ他の人よりそういった人間の純粋な部分に対する期待感が大きすぎるので、友人に裏切られた時の悲しさや恋人に振られた時のショックがより大きいものになってしまいます。
弱みを見せないため一見すると男らしい魅力的な男性に見える

回避依存症の男性は親しい間柄でも自分の弱いところや本音を見せないため、一見すると男らしく自立した魅力的な男性に見えます。
ありのままの本当の自分を見せたら相手に嫌われる、がっかりされるという気持ちが非常に強いため、長年付き合っている友人・恋人に対してでも弱みを見せることは決してありません。
少しのことでもすぐにへこんでしまうほど打たれ弱く繊細なのですが、普段の人付き合いにおいては男らしく細かいことは気にしない器の大きい自分を演じています。
そのため、女性からしたら男らしい魅力的な男性に感じるのです。
打たれ弱いガラスのハートを虚勢を張ることでガチガチにガードしているのです。
彼らは人間関係のトラブルで傷つき、心が潰されないための保険として深い付き合いを回避しているのです。
交際中は主導権を握り高圧的

回避依存症の男性の好きなタイプは「自分のことを好きな女性」です。
そのため、彼らは女性に自分のことを好きにさせることは得意としています。
得意というべきか、恋愛の駆け引きが絶妙にうまいんです。
彼らは親密になると連絡を返さなくなったり、冷たくなったりするため、女性側は「急にどうしたんだろう、何かしてしまったのだろうか」と思い不安になります。
その結果女性側は男性の顔色を窺って発言したり、機嫌を取ろうとするため自然と男性側が優位な立場に立ち主導権を握ることになります。
さらに、彼らが気まぐれにデートに誘ったり、優しくしたりする行動についても、普段横柄に扱われている女性にとってはとてもうれしく感じ、いわゆるアメとムチ効果でますます彼らにはまっていくことになるのです。
このような行動は多くの場合、意図的に行っている訳ではなく彼らにとってはごく普通の行動であるため、自然と女性との間に上下関係(主従関係)が生まれることになります。
また、付き合う前は思いやりがあり優しい面も見せるのですが、付き合った女性に対しては「自分のことが好きなのだから尽くして当然」と思っている節があり、言動は高圧的になりがちです。時にはモラハラやDVをしてくることもあるため注意が必要です。
交際している女性に対しては束縛気味

回避依存症の男性は付き合っている女性を束縛する傾向があります。
自分の時間を邪魔されるのを嫌うため相手からは束縛されたくないと思っていますが、相手の女性が自分に合わせないと不機嫌になったりします。
男性側からデートなどに誘ったときに女性が予定があったりして断ると「せっかくこちらから誘っているのに」などと感じて不機嫌になったりします。
本当は女性を束縛する男はかっこ悪いという考えを持っているため、なるべく束縛はしたくないと思っているのですが、それは外面だけで実際は自分に自信がないために相手に浮気されるのを恐れています。
加えて付き合っている女性は自分に合わせるのが当たり前という考えがあるため、平気で女性の行動を制限するのです。
彼らはいつでも自分に従順な自分の事を好きでいてくれる女性を求めているのです。
交際中でも他にキープの相手を作る

回避依存症の男性は他人と深く親しい関係になることはめったにありません。
恋愛においても同じで、基本的に"どうせいつかは別れる"という考えがあるため、一人の女性のみと親密になることは避けたいと思っています。
彼女との関係も深くなり過ぎないように気を付けながら。他の女性とも浮気をして別れた時でもすぐに他に移れるようにキープを作ります。
決して彼女のことが嫌いというわけではないのですが人間関係に対してドライで現実的な考え方を持っているため、親密になりすぎるとその分別れた時のダメージも大きくなると思い、付き合いをセーブします。
その上で、キープの女性も作り別れたときの為の保険をかけているのです。
回避依存症の女性の特徴と心理
次に回避依存症の女性の特徴を見ていきます。
基本的に人と親密になるのを避けるという特徴は一致していますので根本的な行動原理は一緒なのです。
人付き合いにおいては本音を語らず自分を演じている

回避依存症の女性は、人付き合いにおいては決して本音を出さず「思いやりがあり優しい自分」「しっかり者の自分」を演じています。
本当はずぼらでめんどくさがりなのに、友人間では頼れる姉御肌として優しく気の使える自分を演じ、相手が恋人であっても、本当は甘えん坊なのにしっかり者を演じてしまったりします。
これは回避依存症の男性にも共通する心理なのですが、親しくなって本当の自分を知られたときに相手に幻滅されて離れていくことを恐れているためです。
明るく社交的で友人は多いが信頼関係には疑問を持っている

回避依存症の女性は明るくて社交的なので自然と周りに人が集まります。
いつも笑顔で気遣いができるので、周りの目から見れば男性・女性問わず魅力的な女性に映ります。
その反面、彼女らは人と人との信頼関係というところにおいては懐疑的です。
それは過去に仲のよい友人に裏切られた、恋人に浮気をされたという経験があるためどうしても他人を手放しに信用することができないのです。
束縛されることや干渉を嫌う

回避依存症の女性は人から束縛されたり干渉されていると感じやすい傾向があります。
自分が友人と遊びたい、彼氏に会いたいと思ったときは、積極的に誘ったりするのですが、逆に自分が誘われた場合は自分の行動が制限されていると感じ窮屈に感じます。それと同じ理由で、先の予定を立てたがらないということがあります。
例えば「2週間後の土曜に友達と遊園地に行く」という予定があったとすると、2週間後の土曜にもし気が乗らなかったり、ほかの事をしたいと思った場合、遊園地に行く約束があるせいで自分の行動が制限されたと感じてしまうからです。
また、恋愛においても同じで男性と交際中に少しでも束縛されているとか干渉されていると感じたときは過剰な拒否反応を示します。
華やかで綺麗な見た目の人が多い

回避依存症の女性は華やかで綺麗な見た目の人が多い傾向があります。
「落ち着いた魅力的な女性」と思われたいため、決して目立つような恰好や厚化粧に見えるような化粧はしないのですが、女性らしく華やかで清潔感がある恰好をします。歩き方や所作などにもこだわっているので、普段から背筋を伸ばして颯爽と歩いて、電車などでも気を抜かず美しい座り方を心がけます。
それは自己評価が低いために、周囲から自分がどう思われているかを常に気にしているためです。
基本的にはどんな相手からも好感をもたれたいと思っているため、身だしなみには人一倍気を使っているのです。
関係が深まっていくと距離を置こうとする

回避依存症の女性は関係が親密になっていくと距離を置こうとします。
相手が自分から離れていく、捨てられるということを極端に怖がっているため、だんだん仲が深まっていっていくにつれてその恐怖が大きくなっていきます。
これ以上仲良くなったら別れる時のダメージが大きすぎる、これ以上仲良くなって本当の自分のことが知られたら相手が離れていってしまうかもしれない。そういった心理から彼女たちは無意識に距離を置こうと考えてしまうのです。
一度好きになると依存しやすい

回避依存症の女性は一度好きになった相手に対しては依存しやすい傾向があります。
恋愛関係が深く発展することは少ないのですが、自分と同じような回避依存症の男性とは一定の距離をとって付き合うことができるため、交際が長く続きやすいのです。
必要以上に相手に合わせる必要がなく自分のペースでお付き合いができて、好きなときに会って、連絡を頻繁にしなくても文句を言わない、そんな付き合い方ができるのでお互いに一緒にいて楽なんです。
そのため、相手のことを「自分のことを理解してくれる特別な男性」だと感じ、その男性に依存しやすくなります。
複数の男性と同時に交際することがある

回避依存症の女性の一番の恐怖は「捨てられること」「一人ぼっちになることです」。
男性と交際するときはもちろん相手のことが好きで付き合っているのですが、同時に彼女たちには"捨てられる恐怖"も常に持ち合わせています。
そのため、振られたときのダメージを軽減するために複数の男性と動じに関係を持ったり、すぐに移れるようなキープを作ったりするのです。
また、二人の関係がうまくいかなくなったりすると「自分の方から別れを告げればダメージは少ない」と考え、自分から一方的に別れを持ちかけることもあります。
回避依存症の原因とは
回避依存症は生まれもった症状というわけではなく、成長するにしたがって徐々にそのような行動をするようになるようです。
それでは回避依存症の原因とはどのようなものなのでしょうか。これには男性・女性に大きな違いはないようです。
恋人や親友に裏切られた過去がある

回避依存症の原因として考えれれることは過去に恋人や親友に裏切られたことがあり、それがトラウマとして残っている可能性があります。
”信用していた友達が実は影で悪口を言っていた”、”恋人に浮気をされた”などそういった経験を体験することで「人を信頼しても裏切られる」という気持ちが強くなっていきます。
これに関しては元々、繊細で傷つきやすい人で些細なことでも必要以上に気にしすぎてしまってトラウマ化してしまったとも考えられます。
図太くてあまり人の言動を気にしていないような人は同じ経験をしたとしてもおそらく回避依存症にはなりません。
親が過保護で過干渉

親が過保護で必要以上に干渉されて育てられた人は回避依存症になりやすい傾向があります。
幼いころから親が過干渉で子供の行動を逐一監視し、制限したり、何をするにしても親が出てきて親の指示なしでは何もできないような環境で育ってくると親が絶対的な存在となります。
このような環境で育ってきた結果、 親にされてきたこと=愛情という歪んだ考えとなり、恋人にも同じようなことをしてしまうのです。
また、無意識のうちに親の過剰な過保護、干渉を自分の恋愛と重ねてしまい、大人になってからも他人との深いかかわりを避けてしまうようになるといわれています。
回避依存症度チェック
ここまで見てきて「自分は回避依存症ではないか?」と感じた方もいるのではないでしょうか?
ここであなたの回避依存症度チェックをしてみましょう。あてはまる項目が多いほど、回避依存症の傾向が高いと考えてください。
1.友達や恋人、親でさえも本音を出せないことがある。
2・自分の方からアタックをしたものの、両思いになると急に冷めたことがある。
3・付き合っている相手を縛りがちだ。
4・束縛されるのは絶対に嫌だ。
5・付き合っているときは自分が主導権を握っている。
6・相手から遊びに誘われると自分のペースが乱されていると感じる。
7・「永遠の愛」「ずっと友達」などの言葉は信じていない。
8・理由もなく音信普通になることがある。
9・割とモテるほうだ。
10・パーソナルスペースが広い方だ。
ドラマ「ハケンの品格」大前春子は回避依存症?

「ハケンの品格」というドラマをご存知でしょうか?
2006年にテレビ放送されていた連続ドラマなのですが、当時好きだったこともあり最近U-NEXTで再度見返していたのですが、篠原涼子演じる主人公の「大前春子」に回避依存症ではないかと思われる特徴がいくつか見られました。
「ハケンの品格」あらすじ
特Aランク派遣で時給3500円の大前春子が大手食品会社の「S&F」に派遣契約で雇用される。
契約期間は3ヶ月、休日出勤、残業は一切なしという条件を突きつけ、協調性がなく愛想のない態度から他の社員からも反感を買う。
だが、あらゆる資格を持ち、チートともいえるその能力に助けられ次第に周りは春子のことを認め、頼るようにもなってくる。
過去のトラウマから仕事仲間とははじめから関わらないスタイル
無敵のスーパー派遣の大前春子は、残業もしなければ、歓迎会や部署の飲み会などにも一切出席しません。
定時までは仕事を淡々とこなし、定時後は速攻で帰宅し他の社員や派遣とは一切のかかわりを持たないスタイルです。
そのようなスタイルになったのは、春子の過去に原因がありました。
新卒で入った銀行をリストラされ、その後非正社員として様々な仕事を経験し、いろいろな人たちと知り合い、別れていく。派遣契約は基本3ヶ月で契約の更新がなければ、派遣先の会社の一存でやめざるを得なくなるため、せっかく仲良くなっても強制的に別れなくてはなりません。
仲良くなっても派遣契約が終われば別れなくてはならないのであれば、はじめから関わらないようにしようという考えです。派遣契約は更新せずに必ず3ヶ月で派遣先を去るのも、3ヶ月以上いたら情が沸いてしまいその分別れがつらくなるからです。
正社員として働いていても会社からは理不尽にリストラされ、派遣で働いても契約が切れれば簡単に捨てられる。そのような経験から春子は会社を一切信用していません。様々な資格を取り自分ひとりでも生きていけるように努力したのはそのためです。
春子の場合はかなり極端なのですが「どうせ別れるのであればはじめから関わらないようにしよう」という考え方は回避依存症の人の基本的な考え方のひとつです。
過去のつらい別れのトラウマによって春子はこのように回避依存症と似たような行動をとるようになってしまったのではないでしょうか?
まとめ

回避依存症は俗に「幸せになりたくない症候群」とも言われています。
人と出会い親密になって幸せになるチャンスを自ら回避してしまっているからです。
人付き合いは難しいものです。相手の気持ちを考えたり、空気を読んだり、時には面倒に思うこともあるでしょう。「相手を傷つけたくない」「自分も傷つきたくない」と考えすぎて、深い関係になれる可能性から逃げてしまっていては幸せも逃げていってしまいます。
少しでも相手の事を好きで仲良くなりたいと考えるのであれば自分も本気でぶつからなければなりません。自分が本音でぶつからなければ相手も当然本音でぶつかってきてはくれないんです。
回避依存症の人は誰よりも繊細で傷つきやすい人です。
そして、私が思うに誰よりも人のことを「信用したい」と考えている人だと思います。
人のことを信用したいと思うあまり、人付き合いで傷つき、傷つけられることが耐えられないのだと思うのです。