頭がいい人ほど
プレッシャーに弱い?
普段は安々と行っている行動も、大勢の人の前やここ一番という時にはなぜか失敗してしまう。
例えば、カラオケBOXで気の合う仲間と歌うときは上手に歌えるのに、普段と違う人、もしくは好きな異性と一緒に行ったときは声が裏返ったり、音程を外してしまう。バスケットボールで普段は外さないレイアップシュートが試合でフリーになった時に限って外してしまう。
そうです、プレッシャーです。
ある研究では頭がよく優秀な人の方がそうでない人よりもプレッシャーに弱い傾向があると結論付けています。
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プレッシャーとは

人は何か行動を起こす時、そのことの重大さや責任の重さを自覚するものです。
その際に生ずる緊張感や重圧のことをプレッシャーといいます。
プレッシャー
引用元: 精選版 日本国語大辞典
〘名〙 (pressure)
① 圧力。単位面積当たりにかかる力。
② 社会的な圧力。強制力。
③ 心理的、精神的な圧迫。
どんな有名人でも、偉大なプロスポーツ選手でも少なからずプレッシャーは感じるものです。
あの「イチロー」だってプレッシャーは感じているのです。
しかしながら、誰でも緊張すると分かってはいても「人前に出るとあがってしまってうまく話せない」「試合になるとプレッシャーでいつものプレーができない」と悩んでいる人も多いかと思います。
能力が高い人の方がより大きなプレッシャーがかかる
そんなあがり症で悩んでいる方に知ってほしい、ある心理学の実験により分かった事実をお伝えします。
マイアミ大学のシアン・バイロック(Sian Beilock)博士は約100名の学生を対象にプレッシャーがかかる状況で数学の練習問題を解かせるという実験を行いました。
前もって学生たちには問題を解いている姿をビデオ撮影し、その撮影した映像を後で第三者に評価をさせると伝え、そのようなプレッシャーを与えた状況で実験は行われました。
頭のいい学生のほうが成績が大きく下がることがわかった

その結果、頭のいい学生ほど結果が思わしくなかったのです。
プレッシャーを受けたときに、いちばん悪い結果がでたのが、能力の高い学生ー最もワーキングメモリーの多い人だったと知ると、意外に思われるかもしれない。
引用元:シアン・バイロック著「なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人」
ワーキングメモリーの多い学生は当然のことながら、合同算術をただ練習問題として解いたときには、ほかの人たちよりも一割ほどよい結果をだしていた。ところが、プレッシャーがかかると、このような頭脳馬力の多い人の実行能力(パフォーマンス)はいちばん低い人と同レベルまで下がった。
頭がいい人は自分が頭がいいという自覚があり、他の人よりもいい結果を出さなければと考えます。
さらに他の人と比べ、より努力をしてきたという自負もあるため、他の人に成績で劣る訳にはいかないとも考えます。
その結果、自分自身にさらに大きなプレッシャーをかけてしまうことで普段通りの実力が発揮できずに多くの優秀な学生は成績が落ちてしまったのです。
一方、普通の学生も実験に際し同様のプレッシャーはかかるものの、自分の能力がさして高くないことも自覚しており普段の成績もそれほど高くないことから、余計なプレッシャーがかかることはありません。
「普段通りにやるしかない」と半ば開き直りの精神で、いつも通り実験に臨むことが出来るため、プレッシャーがかかる状況であっても結果はいつもとさほど変わりはありません。
能力が高い人にはより大きなプレッシャーがかかりやすい

このことから、能力が高い人、人よりも多く努力を重ねてきた人は本番に際してより大きいプレッシャーがかかるという事が分かります。
それは当然のことで、例えば大学受験で「東大」に受かるために友達と遊ぶこともなく、寝る間を惜しんで勉強を頑張ってきた。受験に落ちてしまったらまた一年間同じような生活を送らないといけない、これまでの苦労が水の泡になってしまうと考えたらそのプレッシャーは相当のものです。
プレッシャーに弱い理由は「自分の能力が高いから」と考えるようにしよう

自分がプレッシャーに弱く、あがり症で悩んでいるという人はこのように考えてみてはどうでしょうか。
●自分がプレッシャーに弱いのは能力が他の人より優れているから。
●自分は他の人と比べ、より努力をしてきたのだから他の人に負けるわけがない。
プレッシャーの要因はもちろん他にもあるのですが、大事な試験やスポーツでの試合などで緊張しやすいという方はこのように考えてみるのがいいと思います。
少しは緊張が和らぐはずです。実際にあたなの能力が高く、努力を重ねてきたのですから普段通りにやれば間違いなく成功するのですから。