私は以前接客業をやっていました。
「ドコモ」とか「au」とか「ソフトバンク」とかキャリア系の携帯ショップだったのですが、皆様もご存知の通り”クレーム”がすごかったです。
しかも、故障窓口だった為、そもそもクレーム目的でとまでは言いませんが、ちょっと不満があって来店しているわけです。
なのでマイナスから接客はスタートします。
携帯が壊れて困っているという気持ちは分かるので、少しご立腹なのは仕方がありません。
しかし、たまに度を超えた要求や怒鳴り散らしたりするお客様もいらっしゃるわけですよ。
(たまにというかほぼ毎日)
そういったお客様を相手にしている毎日でふと疑問に思いました。
・この人たちは普段どういった人間なのか? ・些細なことで初対面の人間に怒鳴り散らして恥ずかしくないのか? ・自分の知り合いにはこのような人はいない(おそらく)この人たちは友達がいるのか? ・いや、そもそもこんなに話が通じないのに通常の社会生活を送れているのだろうか? |
そこで今回長年の疑問であったクレーマーという人たちは普段はどのような人なのか、どういった心理でクレームをしているのか?私が実際に遭遇したクレームの実例を交えつつ”クレーマーの心理”について書いていきたいと思います。
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CONTENTS
実際にあったクレーム実例
まずはなぜ私がこのような疑問を持つようになったのか。実際に受けたクレームの実例を挙げてみます。
何もしていないのに携帯が壊れた

あるお客様が液晶がバリバリに割れている携帯電話をもって接客カウンターにいらっしゃって一言
「何もしていないのに液晶が割れた。すぐに取り替えろ(もちろんタダで)」
?????????何もしていない????????
●アンタ買って一年も経ってるのに何もしていないって何?何のために携帯買ったの?
●液晶以外もこんなにボロボロなのに?
●超能力者かなんかで、携帯に触れずに液晶割ったんか?だとしても超能力を使うという行為をしてるからな!!
上記のようないろいろ突っ込み所満載なことをおっしゃっておりました。
もちろんそんな突っ込みはせずに「ご不便おかけしております。確認させていただきます」と
ご案内をします。
当然破損や水濡れは有償となりますのでそのように丁寧にご案内するのですが、案の定ブチギレでしてきます。(想定の範囲内)
ゴリ押しでいけばなんとかなると思っているタイプです。
何と言われようと無償で取り替えることなんかできるわけないので、あとは延々とキレられるのみです。
「それはお困りですよね」とか「わかります」とか共感言葉を使います。
絶対に謝りません。下手に謝ったらダメなのです。謝るにしても何に対して謝っているか明確にした方がいいのです。
「わざわざご足労おかけして申し訳ありません」とか。
しばらくしたら勢いもなくなって落ち着いてくるのであとは淡々と有償修理の受付をするだけなんですが・・
さすがにあちらも無茶苦茶な事を言っているのは自覚しているのでこちらが折れないのがわかったら有償でも修理するしかないですからね。実際に使えなくて困っているので。
こういったタイプはある意味「楽」なんです。
スタミナがないので相手が疲れてくるのを適当な相槌をしながら待つだけですから。
ポイント
●何もしていないのに液晶が壊れたという客。
●ヒートアップするタイプは相手のスタミナ切れをひたすら待つ。
データが消えた!土下座しろ!

これは私が受け付けたものではないのですが、携帯ショップで働いて間もないころの話です。
これも故障受付だったのですが、私の先輩が接客をしており随分とお客様がヒートアップされていました。
どうも電話帳のデータが消えてしまったらしく、「どうしてくれるんだ!!」「3億の契約がパァになったぞ!」「保障しろ」といったことを怒鳴っておりました。
ちなみに外見はどう見てもそんな契約はしていなさそうな普通のおっさんでした。
私はホントにこんなマンガみたいなこという人いるんだ~と変な感動をしていたのを覚えています。店内はというと他の客、及び店員までもそのやり取りに注目していた為、緊張感が半端なかったです。
消えてしまったデータは騒ごうがどうしようもないわけで、ひたすら先輩は謝っていたのですが、それでも収まらないその客はついに禁断の「土下座しろ!」を言ってしまいました。
昨今はコンビニで客が店員に土下座させたのがSNS上で問題となり逮捕もされていますが、10年以上前の事でしたのでSNSも使っている人は少なく客は今以上に調子に乗っていたように思います。
先輩はそれに素直に従い土下座をしてしまいました・・
すごく悔しかったです。
若かったこともあり「男たるもの簡単に土下座をするものではない」と思っていましたし、何よりその先輩は一見冷たい印象ですがすごく優しくて面白い人で私も大好きな人だった為、理不尽なその客に怒りを覚えました。
というか悔しくて涙が出ました。
この一件で私は故障修理の担当には絶対になるまいと誓った(この時はまだ故障担当ではありませんでした)はずなのですが、なぜかその後故障担当に回され、気付いたら責任者までやってました・・
ポイント
●データが消えた!責任を取れ!土下座しろ!という客。
●当時はSNS全盛期でもなかったため、土下座強要は当たり前。
ひたすらネチネチ絡み続ける客
騒ぐでも、怒鳴るでもなくひたすらネチネチ正論風なことを言い続けて絡み続ける。
これがある意味一番厄介な客なのです。
こちらの発言の矛盾点を無理やり見つけて、屁理屈で延々とネチネチ。下手なことを言うとまたその発言を取り上げてネチネチ。もうこちらも黙るしかありません。
一度何のクレームか忘れましたが、その時もう何を言っても無駄だと思いヤケクソでずっと黙っていてやろうと思い、カウンターで客と向き合ったままで20分くらい黙っていたことがありましたw
その時は客側が何も言わず帰って行きました。根負けしたのでしょうか?
ポイント
●こちらの発言の上げ足を取ろうとする客とは、言い合いをしてはダメ。
●黙っていた方がマシな場合も?
契約約款をすべて暗記している

恐らくどのキャリアにもあると思うのですが、携帯の契約についてのあらゆる事が書いてある「契約約款」という分厚い聖書みたいな本がカウンターに置いてありました。
約款はそれはもう膨大な量の契約事項が書かれている為、存在は知っているもののそんなもの普通、店員でもすべて覚えている人は皆無です。
「そんなもん覚えられたら余裕で弁護士になれるわ」というほどの量です。
その契約約款をすべて暗記しているキ〇〇イがいたんです。
その客は各地のショップを訪れてはその膨大な知識をひけらかし、店員がわからない契約事項についての質問をして、店員が困っているのを楽しんでいるような輩でした。
ただ、この客については各地のショップで問題を起こしていた為、さすがにキャリア側でも対策をして一般のショップでは対応をしてはいけない事になっているようでした。
店舗での対応は不可能なので来た時点で即キャリアの支店に連絡をして退店していただきました。
その記憶力他でもっと生かせるだろうに・・何がしてーんだよ・・
頭がいいのか悪いのか分かりません、いや、絶対にアホですね。
クレーマーって普段どんな人なの?
ここまで私が出会ったクレーマーの一部を紹介してきました。
世の中には様々な人がいる。接客業を経験するとそれが嫌でもわかってきます。
クレームをつける気持ちは分かります。ただ度を超えたクレームはもはや犯罪です。そんな行為を日常繰り返している人達。
彼らは普段どのような人たちなのか?親しい友達はいるのか?家族は奴らに注意しないのか?仕事をしているのであれば仕事場での様子はどうなのか?中学のクラスでいた奴の中だとどんな奴がクレーマーとなるのか?色々疑問が溢れ出てきます。
自分に自信がない

クレーマーは店員が逆らえない事をいいことに上からモノをいって悦に浸っています。
店員が自分のいう事をなんでもハイハイ黙って聞いている事で自分が優位に立っていると思い込み満足するのです。
こういったタイプは普段の生活や仕事においてうまくいっていないので自分に自信がありません。
そのため誰かと比較をして自分が優位に立っている事を確かめないと自尊心を保つことができません。店員が言い返してこないため「自分の方が優れている」「自分が正しい」と思い込みます。
自分に自信がある人は誰かと比較をしようなどとは思いません。
社会生活がうまくいっていないので卑屈になっているのです。
ポイント
●立場が弱く逆らえない店員にクレームをつけることで自尊心を保っている。
日常生活がうまくいっておらず、不満・ストレスがある

日常生活や仕事においてうまくいっていない、不満やストレスを感じている人はクレーマーになりやすいといえます。
自分が仕事のストレスでイライラしていたり、普段の生活でもうまくいっていない時って余裕がないから他人に優しくするのは難しいですよね?それどころか他者に対して攻撃的になりがちです。
クレーマーは仕事・プライベートにおいてストレスや不満をかかえている為、店員に対しても優しく接することができません。
それどころか些細な事でクレームをつけてストレスの発散をします。
八つ当たりのようなストレス発散方法ですが、世の中には一定数このような人がいるのです。
ポイント
●仕事やプライベートでストレスや不満を抱えている。
●クレームをつけることでストレス発散をしている。
話し相手、友人がいない
クレーマーはやはり、友人がいない(少ない)といった人が多いようです。
空気を読まず自分が正しいと思い込んで間違った正論を振りかざす。
友達が店員に対してこのような理不尽なクレームをつけていたらドン引きです。
このようなタイプは普段の生活や仕事でストレスが溜まっても、不満や愚痴に対して同意してくれる相手がいないので寂しい思いを抱えています。
その寂しさから、誰でもいいので会話やコミュニケーションを取りたいと思っています。
そのコミュニケーションの一つの手段としてクレームをしてしまう人もいます。
思い込みが激しく間違った正義感を持っている

クレーマーの中には正義感が強く自分の中だけのルールを持っていて、それが絶対正しいと思い込み自分ルールを押し付けてクレームをする人がいます。
思い込みが激しいタイプでいくら店員がその間違いを遠回しにでも伝えようとしても、そもそも自分の中の絶対的なルールがあるので自分の言っていることが間違いだなどとは思いません。
空気が読めず自分を客観視できないので、インターネットなどから拾った情報を自分勝手に判断して結論づけているため、自分が間違っているという思考に至らないのです。
厄介なところは本当に自分が正しくお店の為に言ってあげていると本気で考えているという点です。
店員が間違ったことを言っているのを正してあげている自分は、店員の教育をしてあげているとでも思っているのでしょう。
こういったタイプは比較的年齢が高いのが特徴です。
年齢を重ねていくと周りから指摘をされることが少なくなります。すると自分は正しい、自分は偉いと勘違いをして凝り固まった思考になっているのです。
ポイント
●正義感でクレームをつけている。
●年齢が高い人がこのタイプになりやすい。
ネットに上がっていたクレーム被害実例集
ここで実際にどのようなクレームがあるのか、ネットで拾った実例を紹介したいと思います。
子どもが祖母の財布から数万抜いたと学校にクレーム。親ブチギレ、祖父母もブチギレ。本人家出。
— けんた ⚪️ (@wakame01) July 18, 2019
学校だけの責任なんかなぁ…
学校の教育に全く責任がないとは言わないが。
家庭内の和解にも学校が乗り出さなければならなくなりそう。
一瞬子供がだれかから財布のお金を抜かれたことに対していってるのかなと思ったのですが、おそらく子供が自分の家の祖母の財布からお金を抜いたから、学校にブチギレているようです。
学校に何の責任があるのでしょうか。思考回路がどうかしています。
そんなんだから子供が財布からお金を抜くように育ってしまったんだと思う・・
空でも飛べたらええねんけどね〜😑
クレーム言うアホは車乗らないの?駅とか自宅から向かって裏道無しでキチンと時間通りに着けるの?
自家用車でも遅れる渋滞なのに、バスに定時を求めるってアホなん?
回復運転の結果福知山脱線事故…
あの事故も言わばクレーム言う奴が居るプレッシャーが原因…— masahiro880k (@masahiro880k) July 18, 2019
こういうクレームがバスの運転手さんに対してのプレッシャーになっているんですね。
そんなクレーム気にしないで安全運転を心がけてください。
客「パスポートは身分証明にならんのか?」
僕「パスポートでは申し訳ありませんがお受けできません。免許証などはお持ちでないですか?」
客「ないからパスポート出してるんやろが!はるばる車で着てんねんぞ!」
免 許 不 携 帯
ネタっぽいですが、実際にもこれくらいのヤバい人はいます。
「#実際に言われたクレーム晒す」まとめこのサイトで皆さんの受けたクレームの実例がいろいろ見られます。見ているとなかなか気分が悪くなります。
「理不尽なクレームは逆効果」店員も人間なのです

元接客業に従事していたものから言わせると、クレームは逆効果だといわざるを得ません。
例えばあなたが携帯の故障担当だとしてお客様から
「何もしてないのに携帯が壊れた!とっとと直せ」
とケータイをぶん投げられるのと
「不注意で落としてしまってから調子が悪いんです。困っているので見てもらえますか?」
と言われた場合どちらの人の携帯を直してあげたいですか?
誰もが後者の人の携帯を直してあげたいと思うでしょう。
客の態度によって店員の対応が変わることもある
今は分かりませんが私がショップをやっていた頃は、携帯に破損や傷あった場合などは必ず有償修理になる旨の説明が必要でした。
それでも後者の人のように「自分の不注意で」と正直に話してくれるお客様の場合は、携帯に多少傷がついていたとしても無償修理を案内します。(裏技があったのです)
逆に前者のようなクレーマーに対しては例え傷や水濡れがなくとも有償修理になるかもしれないと案内します。
言っておかないと面倒なことになりますし、心情的にも絶対無償修理にしてあげたくないからです。(大抵そういう人は使い方が悪いのでどこかしら傷とかがあるんですけどね)
当然有償修理って言ったったとたんに激怒されますけど、そんなことは慣れっこなのでどうもしません。それこそ「キレれば無料になる」と勘違いして、「この前は無料で直してもらった」とかいって再度無料で直させようとしますから。
だから私は飲食店などでも店員さんには丁寧に接するようにしています。
丁寧に接することによってお互い気分もいいですし、店員さんも丁寧な対応をしてくれます。
店員も人間なんですから、こんなことは当たり前の心理なんですよ。
ポイント
●店員も人間。いいお客様にはいい接客をしたいと思うものです。
最後に

今回は私が接客業をしていた際のクレームの例を交えて、クレーマーの心理や普段どういった人間なのかを記述しました。
そもそも日本という国はサービスが過剰になりすぎていて、店員が必要以上に丁寧に接客をしてしまう為、クレーマーが「自分の方が立場が上」だと勘違いしてしまうのです。
丁寧な接客は日本の素晴らしい文化だと思うのですが、理不尽なクレームに対しては毅然とした対応を取れるようになるのも重要だと思います。
店内でクレーマーの怒鳴り声が聞こえるのは他のお客様にも迷惑になりますからね。
昨今、メディアなんかでもこういった「モンスタークレーマー」の問題が取り上げられて世の中もクレーマーに対して厳しく対応できるようにはなっているのだと思いますが、クレーマーはいじめと同じで必ず一定数はいるものです。
だからこそ賢いみなさんは少なくとも自分がクレーマーにならないように気を付けてください。